訪問看護の学び

【制度】訪問看護の利用 介護保険?医療保険?~徹底解説~


基本的には訪問看護ステーションは

介護保険が優先されます。

介護保険での訪問看護

介護保険の対象者

①40~64歳:第2号被保険者(特定疾病に該当する場合に利用することができる)

※要介護状態が、老化に起因する疾病(下図)

【特定疾病】

1 がん(末期) 9 脊柱管狭窄症
2 関節リウマチ 10 早老症
3 筋委縮性側索硬化症 11 多系統萎縮症
4 後縦靭帯骨化症 12 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
5 骨折を伴う骨粗鬆症 13 脳血管疾患
6 初老期における認知症 14 閉塞性動脈硬化症
7 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病 15 慢性閉塞性肺疾患
8 脊髄小脳変性症 16 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

②65歳以上:第1号被保険者

要介護・要支援の認定を受けている方。

①と②の場合は介護保険による訪問看護が利用できます。

 

 

 

医療保険での訪問看護

では、医療保険を利用する場合はどういった時でしょうか?

 

①0~39歳の方

介護保険の利用年齢にも達していないですし、医療保険の対象ですね。

 

②40~64歳で特定疾病に該当しない方

上記の特定疾病に該当していない場合は、介護認定を受ける事が出来ません。

 

③厚生労働大臣が定める疾病等 別表7】←重要

1 末期の悪性腫瘍
2 多発性硬化症
3 重症筋無力症
4 スモン
5 筋委縮性側索硬化症
6 脊髄小脳変性症
7 ハンチントン病
8 進行性筋ジストロフィー
9 パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)
10 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ矯小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)
11 プリオン病
12 亜急性硬化性全脳炎
13 ライソゾーム病
14 副腎白質ジストロフィー
15 脊髄性筋萎縮症
16 球脊髄性筋萎縮症
17 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
18 後天性免疫不全症候群
19 頚髄損傷
20 人工呼吸器を使用している状態

上記の疾患に該当する場合は、医療保険での訪問となる。

④特別訪問看護指示書の交付を受けている方

主治医が診療により、利用者が急性感染症等の急性増悪期、末期の悪性腫瘍等以外の終末期又は退院直後で「週4日以上の頻回の訪問看護の必要がある」と認めた場合に交付できるものであり、疾患や症状の制限はない。

「訪問看護指示書」と「特別訪問看護指示書」は、同一医師から交付されるものであり、特別訪問看護指示書は1人につき1回交付できる。但し①気管カニューレを使用している状態、②真皮を超える褥瘡の状態 にある場合は1月に2回までに交付できる。

 

⑤精神科訪問看護指示書の交付を受けている方

統合失調症、うつ病、双極性障害、適応障害、発達障害などの方を対象に訪問を行う場合、精神科訪問看護指示書を交付された場合は医療保険でのサービスとなる。

 

⑥その他

65歳以上でも自立度が高く、介護認定を受けられなかった方。

 

まとめ

訪問看護ステーションは、介護保険医療保険の両方を利用する事業です。

基本的に、介護認定(要支援1・2、要介護1~5)を受けている方は、介護保険を優先して利用します。

介護保険の給付管理はケアマネージャーが行っています。ケアマネージャーがケアプラン上に訪問看護を位置づけ、主治医より訪問看護指示書が交付されれば訪問看護サービスが介入することができます。

ケアマネージャーからの依頼であれば、要支援・要介護認定を受けていますので、介護保険での訪問看護が基本ですが、上記の医療保険に該当する場合は医療保険での訪問看護となります。介護保険の給付とは異なりますので、間違わないように注意が必要です。